エイベックス60年の歩み/AVEX記念誌

AVEX記念誌
「会社は必ずつぶれる」

加藤社長は、新入社員と対面した時の第一声としてまずこの言葉を告げる。

冗談交じりに「社員を脅しているよ」と笑いながら語る加藤社長だが、経営の真髄は人材育成だと考えるエイベックスにとってこの言葉は脅しでもなければ、社員を不安にさせる為に言っているわけでもない。

社員と社長とのベクトルを合わせるという事。
このベクトル合わせにより共通のコミュニケーションが出来、共育のベースが出来あがる。

これは個人が成長しなければ会社は衰退し、いづれは無くなってしまうという危機感を社長だけでなく社員全員にも持って欲しいというエイベックス流の社員教育。一人一人の意識が高ければ会社も成長し、社員も会社も発展していく。

「昔は社員とのコミュニケーションが自ら積極的に取れていなかった。」
社員とのベクトルが合わなければ、どこまで行っても平行線。自分の意見ばかり押し付けていては社員の心も行動も動かせない。と加藤社長は言う。

良くなったのはここ4~5年前。大卒を採用し始めたのがきっかけで、社長と社員の接し方を考え直したという。

社員も経営理念を学び、さらには戦略・方針について、学ぶ事が大切である。
経営戦略にもあげている『勝ち進む経営』について自社の強み・弱みを分析(SWOT)し、方向性(あるべき姿・成功要因)を見出す事が大事だという。

経済環境や競合企業等の外部要因に責任を転嫁せず、自社の課題として展開していくことが重要との認識を経営側と社員がしっかり合わせる事が企業の発展につながる。

それから数年、今では製造業では珍しく、エイベックスは平均年齢29歳という若い力で経営されている。