エイベックス60年の歩み/AVEX記念誌



「機械が我々のお金を生んでくれる」
現在では勤務中に掃除をしているが、当時は初代社長の言葉をむねに仕事が終わってから感謝の気持ちで
機械の掃除を自主的にしていた。


当時の社長(現会長)は非常に慎重派だった為、新規部品を取り扱う時には普段よりさらに慎重に部品を取り扱った。
特に測定にはこだわり、1つ1つの部品を間違いなく測定する事により細かいミスをなくしていた。
不良部品を作らないような新規設備を立ち上げた。


当時部品は貴重なものだった為、ネジ1本でも価値のあるものだった。
現場をよく見回っていた社長(現会長)は、現場に落ちているどんな小さな部品も見落とさなかった。
部品が落ちている事を社員に告げる事により、社員一人一人が物を大切することと、製品をつくる職人としての
誇りをもってほしかった。


測定具は当時非常に高価な物であり、当時の社員1か月分の給料に値するものだった。
物を大切にする事を大事にしていた社長(現会長)にとって測定具は、製品を作る為の要・命だと考えており
その測定具を放置する事は、命を放置する事であり、物づくりをする職人として許せなかったのである。
また、お客様にお届けする商品の上に測定具を置く事は、あってはならない事であり物を作る職人としての責任と誇りを持ってほしかった。


当時は停電がよくあり、たびたび暗闇に襲われたが、それに習い暗闇でも道具がどこに
あるか分かるくらい整理・整頓を心がけていた。


ひとつの事から、他の全てが分かる。きちんと掃除もできないのに設備を正確に操作して良品を作る事はできない。
どんな小さい事でも1つ1つのことに責任を持って行うこと事が大切だという言葉。